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暮らしの多様化により、子どもを取り巻く環境も変化しています。3世代世帯の大家族から核家族への変化、片働きから共働きへの変化など家族の変化。またご近所付合いの希薄化など地域の変化。20年30年前の子育て環境と今の子育て環境では、前述のような違いがあります。厚生労働白書によりますと、次のようなデータが出ています。
3世代世帯の割合は減少傾向にあり、単身世帯の割合は増加傾向にあります。3世代世帯では、家族での役割分担も多くの人数で、男性の仕事、女性の仕事、子どもの仕事と分ける事が出来ました。しかし、核家族世帯や単身世帯では、少ない人数で役割分担をしなくてはいけません。また、下:図1のように、1980年では圧倒的に片働き世帯が多く1990年代を境に共働き世帯が増加傾向にあります。この図からは、かつては、ご近所さん同士が専業主婦で、共に子育てをしており、子育てを通じてご近所付合いが自然と行われていたという事が読み取れるのではないでしょうか。
環境が変化すれば、子育てをする保護者が抱える悩みも変化します。それでは、今、子育て中の保護者の方は、どの様な悩みを抱えているのでしょうか。
横浜市が実施した(平成16年度)子育てニーズ調査では、「自分は子どもを虐待していると思うことがある」と答えた方が22・4%と5人に1人の割合に上ります。「子育てで、どうしていいのかわからなくなる事がある」と答えた方が62・2%、「やる気が起こらず、世話をしたくない時がある」と答えた方も44・3%と半数近くに上っています
横浜市民生活白書では、「核家族の共働きで、子どもを保育所に通わせている場合、保育所の父母会などを通じて親同士のつながりができ、子育ての不安や悩みを保育士に相談する事も出来る。 |

図1 |
| (注1) |
1980年から2001年は総務省「労働力調査特別調査」(各年2月、ただし、1980年から1982年までは各年3月)、2002年以降は「労働力調査(詳細結果)」(年平均)より作成。 |
| (注2) |
「男性雇用者と無業の妻からなる世帯」とは、夫が非農林業雇用者で、妻が非就業者(非労働力人口及び完全失業者)の世帯 |
| (注3) |
「雇用者の共働き世帯」とは、夫婦ともに非農林業雇用者の世帯。 |
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しかし、専業主婦の場合は、公園デビューなどがうまくいかずに仲間づくりに失敗した時、長時間にわたる自宅での母子密室保育に陥りがちで、子育て中の不安や悩みを相談する相手も見つけにくい。
となれば、どうしてもストレスや、イライラを子どもに向けてしまい、わが子を虐待に至らしめるケースにもつながりかねない」「特に0〜3歳の子どもをもつ核家族の専業主婦の抱える悩みや不安は大きい。」との内容が記述されています。また厚生労働白書においても、下:図2の様に在宅で育児を行っている割合の高い3歳未満児を持つ母親の半数近くが社会からの疎外感や孤立感を感じている状況にあります。 |
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図2 |
| 資料: |
財団法人こども未来財団「子育て中の母親の外出時等に関するアンケート調査結果」(2004年) |
| (注) |
妊娠中又は3歳未満の子どもを育てている母親に聞いたもの |
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このように、以前は自分の母親に子育ての相談をしたり、ご近所さんと話しあったりして悩みや不安を解消していた事が、核家族化や、地域の希薄化が少なからず影響し一人で悩みや不安を抱え、解決できなくなっているという事が、今の時代の子育てにおける課題の一つと考えられます。
次に、下:図3では、育児休業を取得できたのに取得しなかった理由についてのデータが出ております。このグラフでは、男女とも共通して「業務が繁忙であったため」「職場への迷惑がかかるため」という回答が多くなっています。また、男性の理由としては、「自分以外に育児をする人がいたため」が多くなっています。これは、長時間労働や職場優先の雰囲気の職場が多い事、子育てが男女共同の仕事であると言う理念が浸透していない現実が読取れるのではないでしょうか。その他、女性の理由としては、「家計が苦しくなるため」が多くなっています。これは、子育てを支援する制度のはずが、逆に経済的理由で子育てが困難になってしまうという矛盾が現実にあるという事だと思われます。
これからの子育て支援は、地域で子育て支援をする場やシステムの整備等、地域で子育て支援をして行く対策、保育所や託児所の整備、産休や育児休業、児童手当の整備等、働く女性、共働きで頑張っている保護者の負担を軽減するための支援対策の両面が必要になってきていると考えます。
何より子ども達が健やかに成長していけるよう社会全体での子育て支援が必要な時代なのではないかと考えます。 |

図3 |
| 資料:ニッセイ基礎研究所「男性の育児休業取得に関する研究会報告書」(2003年) |
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